意外と難しくない、星空・夜景の撮影。

冬のダイヤモンド。

夜景・星空
夜景・星空

 天気が良く、雲が無い夜は空が気になります。 街灯が少ない地域は特に星が綺麗に見えたりします。 そんな星空を撮ってみたい! と思い、カメラを空に向けて、いつもどおり「カシャ」っと撮ってみても何も写らない。 たいてい、最初はそうやってしまうものです。 なので、「星を撮るのは素人じゃ無理だろうなぁ~。」「すごく性能が良い機材が必要なんだろうなぁ~。」と尻込みしてしまいそうですが、実はちょっとした知識だけで難しくはありません。 数十万円するような一眼レフカメラだけでなく、数千円くらいのコンパクトなデジタルカメラでも星空を撮る事が出来ます。

夜景・星空

星を撮る場合は、日頃の撮影と違って、15秒とか30秒、長ければ数分以上かけてシャッターを切るので、その間、カメラ本体が微動だにしないように、ちゃんと【三脚】などで固定する必要があります。 いつもビデオカメラで使っている三脚でも、まずは大丈夫。 ほとんどのカメラは本体の下の方に三脚に固定するための穴が空いています。 夜景や星空は、撮影中にカメラが1mmでも動いてしまうと台無しになってしまいますので注意が必要です(もしかすると逆に面白い写真が撮れるかもしれませんが)。
次に、あれば便利なのが【レリーズ】か【リモコン】。 カメラに直接触ってシャッターを切ると、それ自体が「振れ」の原因になるので、カメラ本体に触れずにシャッターを切るための道具があると便利です。 または、コンパクトデジタルカメラの場合も【タイマー撮影】があるので、それを利用すれば大丈夫です。

カメラを三脚に固定して、撮りたい方角に向けて、シャッターを切る準備が出来たら、これから、もう少しだけ準備が必要です。いつもカメラ任せで自動で撮影している人にはちょっとした冒険、星空の撮影は全て「自動」ではなく「手動」です。

夜景・星空
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夜景・星空
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日中は便利な「オートフォーカス」機能はオフにして「マニュアルフォーカス」にしておきます。 また「手振れ補正」機能もオフです。 暗い場所なのに「フラッシュ」も使いません。
一眼レフでは、レンズのフォーカスリングを「∞(無限)」の位置に合わせます。 コンパクトデジタルカメラでも「マニュアルフォーカス」にして同様に設定をします。 これで基本的に星を含めて画面全体的に焦点が合うと思います。
レンズの絞り、F値を一番開放側に(F2.8とかF3.5とか)、または、もう1段だけ絞ってみます(F4とかF4.5とか)。 一般的に、少し絞った方がシャープに写ると言われます。 また、基本的にF値の小さい明るいレンズ(F2.8以下)ほど、夜の撮影には有利です。 明るいレンズほど、シャッター時間が短い中でも比較的沢山の星を捉える事が出来ます。
更に、シャッター速度の設定です。 まずは10秒程度にしてみて、iso感度を6400~12800に設定して、試しに撮影してみます。 今回はあくまで試しです。 さすがにiso感度が6400~12800では、星も沢山映りますが、下の写真の様に高感度ノイズも強く出てきて、写真としては…どうかな?、と思われます。 あくまで本番にむけた構図の参考にします。

試しに撮ってみて写真の構図が決まれば、次は本番。「高感度ノイズ」が強く出ない様に、これはカメラの性能にもよりますが、iso感度は400~最高でも1600程度に(性能がいいカメラだと3200~6400でもノイズを更に抑える事が出来ます)。 そしてシャッター速度(露光時間)は20秒前後。 30秒以上では、やや星が流れて写ります。 更に10数分だと、下の写真の様に(比較明合成)だいぶ星が流れますので、星を点で撮りたい人は、8秒から20秒以下です。

長時間のシャッターでも星が流れないようにするためには、例えば、私が使っている「PENTAX」のカメラには「アストロトレーサー」という、GPS機能を活用して天体を追尾する機能を持つ装置もあります。一般的には、高価ですが「赤道儀」という装置を使います。星の動きに合わせてカメラを動かしていきます。

まぁ写真を観てもお分かりの通り、私もプロでは無く、素晴しい機材を持っている訳でもありませんが、夜景や星空は、カメラ以外に三脚と、少しの知識があれば、誰にでも撮影できる、という事をお見せしました。 最後に、近所の山から冬に撮ったもの。 天候も、急に雲が出てくる事もあるし、一番の難敵は「月明かり」ですね。 月が出ている夜、月が明るい夜は、星空は諦めましょう(笑)

また冬は気温が低くバッテリーがいつもより持たない、という事もあります。場合によっては、しっかりと予備のバッテリーを準備したり、レンズの曇り対策も兼ねてホッカイロなどを準備する方もいらっしゃるようです。

夏場は長時間のシャッターでカメラの温度が上昇し、熱によるノイズが増える事も。 蚊など虫対策も重要だったり。 シャッターを押してからの10秒…20秒…30秒…我慢が大変ですが、ワクワク感もあります。 寒い時期は風邪をひかない様にウィスキーでも飲みながら待ちましょう(爆)。 懐中電灯などもあれば便利です。

と、まぁ、色々ありますが、星空・夜景の撮影も、またいつもと違う風景が見えて、1つの楽しみになっています。 繰り返しになりますが、カメラ以外に最低限必要なのは三脚。あとはカメラ自体の設定です。 皆さんもぜひ、挑戦してみて下さい。